2013年8月24日土曜日

じわじわと強まっていくネットへの言論統制:中国記者は「マルクス主義を学習せよ」

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●21日、中国政府がネット上における言論統制を一層強めている。SNSが中国の政治に大きく影響を及ぼすようになり、ネット上での世論に中国政府は不安を感じている。


レコードチャイナ 配信日時:2013年8月24日 0時57分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=75896&type=0

中国で強まるネットの言論統制、異なる意見を封殺―米メディア

 2013年8月21日、米国際ラジオ放送ボイス・オブ・アメリカ (VOA)中国語サイトによると、
 ここ数カ月の間で中国政府がネット上における言論統制を一層強めている。
 SNSが中国の政治に大きく影響を及ぼすようになり、
 ネット上での世論に中国政府は不安を感じている。

 ネットを中心に作品を発表している著名な作家・慕容雪村(ムーロン・シュエツン)氏は一切の説明なしにサイトを閉鎖させられた。
 中国版ツイッター「微博」では400万人ものフォロワーがいたが、こちらも突然閉鎖され、他のSNSでもアカウントが削除されたという。
 氏が掲載した記事に政府が不安を感じたためとみられる。

 他にも学者や芸能人、企業家の中にもサイトやSNSのアカウントを突然抹消されたケースは少なくない。
 いずれも中国共産党の方針にそぐわない考えを持っていたためであり、2013年1月に南方周末の記事が共産党に差し替えられた事件では、ネット上で南方周末の記者を支持する考えを台湾の歌手・伊能静さんがネット上で示すと、やはり同様の憂き目に遭っている。

 中国の不動産業界の大物・潘石屹(パン・シーイー)氏は環境保護のため個人サイトで大気汚染指数を毎日掲載し、政府に新たな大気質指標を制定すべきだと促したところ、北京で開かれた会議に出席させられ、関係する官僚から法を順守し、社会主義制度や国家利益を守るように叱責されたという。

 習近平(シー・ジンピン)氏が新たな指導者となり、ネット上の言論に対して寛容な態度を取るのではないかと期待されたが、現在までまったくそうした態度は見られない。
 習国家主席は毛沢東の極左思想に強く影響されており、
 党の利益を最優先しているとの見方もある。
 中国ではネットは社会不満のはけ口や安全弁としても機能しており、言論統制が行き過ぎると不満が爆発し、社会動揺に発展する危険もあると指摘されている。



レコードチャイナ 配信日時:2013年8月15日 5時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=75521&type=0

ウィキペディア、中国のネット検閲への協力を拒否―中国紙


●13日、環球時報は記事「ウィキペディア、中国によるいかなる形式のネット検閲にも協力しない」を掲載した。ウィキペディア創始者は中国の検閲には永遠に応じないと発言した。写真はジミー・ウェールズ氏、ウィキペディアのロゴ。

  2013年8月13日、環球時報は記事
  「ウィキペディア、中国によるいかなる形式のネット検閲にも協力しない
を掲載した。

  7日から11日にかけ、香港理工大学でウィキペディア国際カンファレンス(通称ウィキマニア)が開催された。
 ウィキペディア財団のプロジェクト参加者の交流、研究発表などのイベントが行われた。

 ウィキマニア参加のため香港を訪問した、オンライン百科事典・ウィキペディアの創始者ジミー・ウェールズ氏は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に応え、ウィキペディアは「中国政府による情報規制の要求に、ウィキペディアは永遠に応じない」と回答した。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(中国語版)によると、6月初頭から中国ではウィキペディアのセキュア接続版への接続ができなくなったという。
 中国政府は昨年12月、ITサービス・プロバイダーにユーザーの実名を把握、記録するよう通達したが、ウェールズ氏は中国政府の要求に応じることはないと言明している。



レコードチャイナ 配信日時:2013年8月28日 14時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76069&type=0

ベンチャー投資家の拘束、中国ネット世論を震撼させる
=当局、取り締まりを強化―米紙


●27日、参考消息は記事「海外紙:中国ネット世論を震撼させた薛蛮子の拘束」を掲載した。先日、人民日報がインターネット環境の浄化を訴える社説を掲載するなど、中国当局はネット世論取り締まり強化の姿勢を明確にしている。写真は薛必群。

 2013年8月27日、参考消息(電子版)は記事
 「海外紙:中国ネット世論を震撼させた薛蛮子の拘束」
を掲載した。

 著名なベンチャー投資家、マイクロブロガーの中国系米国人、薛必群(シュエ・ビーチュン、ハンドルネームは薛蛮子)が買春容疑で警察に拘束された。
 このところ、中国ではネットユーザーが当局に逮捕される事例が相次ぎ、注目を集めている。

 米紙ロサンゼルス・タイムズは25日、
 ここ数週間、中国当局が「挑発騒動」容疑で多くのマイクロブログユーザーを逮捕したと報じた。
 その中にはネット広告企業の運営者も含まれており、薛必群はその企業に投資していた。

 人民日報は23日、インターネット環境を浄化しなければならないとの社説を掲載。
 「ネットでデマを流している人物」を激しく批判している。
 一連の逮捕はネット世論の取り締まり強化を目指す中国当局の姿勢を示すものと見られている。


ウオールストリートジャーナル     2013年 8月 29日 15:17 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323779204579042101146102692.html

マルクス主義の学習強いられる中国の国営メディア記者
By   RIVA GOLD

 中国当局は国営メディアの全てのジャーナリストに対し、マルクス主義の講義に出席するよう命じた。
 中国は最近、報道機関に対する締め付けを強化しており、今回の動きもその一環だ。

 中国共産党の中央宣伝部は国営メディアの30万人を超えるすべての記者と編集者に対し、今月中に少なくとも2日間、マルクス主義の講義を受けるよう求めている。
 当局は過去10年間、報道機関に対して似たような「再教育」プログラムを実施してきた。

 しかし、今週の動きは、マイクロブログの「新浪微博(シナウェイボー)」や騰訊控股(テンセント)が運営する「ウィーチャット」が普及する中、
 情報統制が緩む恐れに当局があらためて危機感を募らせている
ことを示している、と中国のメディア改革を研究するデービッド・バンダースキ氏は指摘する。
 同氏は香港大学の「中国メディアプロジェクト」のエディターを務めている。

 バンダースキ氏によると、講義の焦点はジャーナリズムに対するマルクス主義の見解に絞られる模様。
 つまり、共産党の話を聞き、それを支持し、世論の形成を促すようジャーナリストを指導することが目的だ。
 そのため、ジャーナリストに対し、社会の安定を育み、政府を支持し、掲載記事の選択について上司に従うという原則をあらためて確認することに重点が置かれる見込みだという。

 バンダースキ氏は
 「彼らは指を振りながら
 『これがお前たちの役割だ、忘れるな
と言っているのだ」
と話す。

 中国は最近、情報の拡散を統制するため多数のブロガーを逮捕し、いわゆる「オンライン上のうわさ」を共有できるさまざまなウェブサイトを閉鎖した。
 25日には国営メディアが、社会問題についてコメントをすることで有名ブロガーXue Manzi氏が売春婦を誘った疑いで逮捕されたと報じた。
 Xue氏は策略にはめられたのではないかとの懸念を呼んでいる。

 中国の司法当局は今月、「オンライン上のうわさ」について取り締まる計画を発表し、インターネットのユーザーに対し、中国の「国益」を損なうことのないよう自己検閲を行うことを求めた。
 同じメッセージは国営の人民日報にも掲載された。
 同様に、習近平国家主席は最近の演説で、プロパガンダの重要性を強調した。

 バンダースキ氏は、今週の動きはメディアに対する公式な姿勢に変化が生じたことを表しているわけではないと指摘する。
 そうではなく、政府は記者に対する影響力を強化し、国営メディアがニュースを支配できるよう、記事や情報源の優先権や独占権が常に国営メディアに与えられる環境において、さらにメディア統制の強化を目指す取り組みを加速させているのだと指摘する。

 こういった行動に対する不満は先週、元重慶市トップの薄熙来被告の裁判の最中に一層表面化した。
 裁判の公式アカウントにつじつまの合わない記載が見つかったためだ。
 法定でのやりとりは裁判所の「ウェイボー」アカウントを通じて詳細に伝えられた。

 国境なき記者団がまとめた2013年の
 「報道の自由度ランキング」で、中国は179カ国中173位だった。
 また、中国で現在収監されているソーシャルメディアの活動家は70人で、同リポートは
 中国がインターネットユーザーにとって世界最大の刑務所である
とも記している。



サーチナニュース 2013/08/26(月) 10:26 
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0826&f=politics_0826_001.shtml

一部幹部がマルクス主義信仰を失っている…中国・人民日報が警戒

  中国共産党機関紙、人民日報は25日付で、
 「共同の理想の旗のもとに結集せよ」
と題する論説を掲載した。
 「習近平共産党総書記(国家主席)の8月19日の重要講話の精神の学習を貫徹せよ」
と主張し、一部の幹部が共産主義、マルクス主義への信仰を失っているとして、警戒感を示した。

  習総書記は北京市内で19日に開催した全国思想宣伝工作会議で、
 「経済建設は党の中心的工作であり、意識形態の工作は党の極めて重要な工作」
と述べ、
 「物質文明と精神文明の両方を強めてこそ、全国の各民族の物質生活と精神生活を改善してこそ、中国の特色ある社会主義事業を順調に前進させられる」
などと論じた。

  人民日報は同講話を受け、
 「多元的で変化の大きな思想の攻撃を受け、拝金主義、物質至上主義の考え方に腐食され、一部の党員幹部は当初の信仰を失い、占いに頼りや神を仏を拝む者もあり、心は物質や地位を至上のものとし、信念は動揺し精神は空虚である者もある。
 政治的に変質し、経済面では貪欲(どんよく)になり、道徳面では堕落し、生活は腐敗した」
と指摘。

  現状について
 「全地球化、情報の開放という政治環境に向かい合うにあたり、利益を追求し、矛盾する問題が相互に関連しあう構造変化の発展時期にあたり、党員幹部はこれまで以上にマルクス主義、共産主義に対する信仰を固く持たねばならない」
と主張した。

  同論説は約1200文字の中で、マルクス主義や共産主義に対する「信仰」という言葉を7回使った。
 党員の価値観が多様化しつつあることに対する警戒感の反映と考えられる。

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◆解説◆

  中国は憲法で「中華人民共和国公民は宗教信仰の自由を持つ」(第36条‐1)と、宗教信仰の自由を保障している。一方で「何人も、宗教を利用して、社会秩序を破壊し、公民の身体・健康を損ない、又は国家の教育制度を妨害する活動を行ってはならない」(第36条‐3)、「宗教団体及び宗教事務は、外国勢力の支配を受けない」(第36条‐4)などの条文で、宗教活動の制限を定めている。

  中国当局のダライ・ラマ14世に対する非難も「宗教を隠れ蓑(みの)にして反中国の政治活動をしている」であり、宗教そのものを批判しているわけではない。実際には2000年ごろから、地方政府が寺院などの宗教施設の設立を歓迎あるいは許可する例も目立った。主に人が集まれば経済効果が生じるためで、宗教が持つ一面は地域にとっても有効との考えだ。

  一方、マルクス主義、共産主義は宗教を否定しており、中国共産党は党員が宗教を信仰することを認めていない。これまでにも、党員が宗教を信じることを禁止する通達を何度か出している。

  多くの中国人が重視する「風水」についても中国共産党は否定しており、公的な施設の建設にあたっても関係者が「風水は考慮していない」と表明する場合がある。ただし、地方の幹部が風水を信じて、自分の戸籍上の年齢を改竄(かいざん)する事件などが発生してる



減速する成長、そして増強される軍備


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