2013年8月31日土曜日

日本の軟化を「いつまでも待つ」中国:「長く、静かな戦い」という無言の合図

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 日本も強いて中国の関係を修復しようとは思わないだろう。
 こういう関係が続いている間に、これはチャンスと
 「このさい、為すべきことはやってしまおう」
というのが本音ではあろう。
 建前上は「日本は会話を待っている」というポーズをとるが、あくまでポーズにすぎない。
 中国としてはここまでガチャガチャにしてしまった関係上、民衆に対するアピールを維持し続けないといけないという役目がある。
 下手に手をうつと、それこそ民衆の反感が日本から政府当局に向けられるとも限らない。
 いまは、表面は華やかな舌句で賑わしながら、具体的には何もしないという様子見でいくしかない。
 どちらも、それぞれの思惑で動いている。
 両者ともいまは下手な対談を持つべきではないと心得ている。


jiji.com 。(2013/08/30-20:59)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013083000957

日本の軟化「いつまでも待つ」=尖閣問題で共産党序列4位-中国

 【北京時事】民主党の横路孝弘前衆院議長ら民主党訪中団が30日、中国共産党序列4位の兪正声・全国政治協商会議(政協)主席と、北京の人民大会堂で会談した。
 横路氏によると、沖縄・尖閣諸島をめぐる日中間の対立について兪主席は
 「紛争があることを認めて(日中の)先人が話したように問題を先送りすれば、すぐに解決する。日本側はそういかないだろうから、いつまでも待っている」
と述べ、日本側が柔軟化するまで妥協しない意向を示唆した。 
 横路氏が
 「紛争があるから解決しなければならない」
と持ち掛けたのに対して答えた。
 兪氏の発言に対して横路氏は
 「長引かせると何が起こるか分からないから早く解決すべきだ」
と応じたという。
 横路氏は「紛争がある」と述べたが、日本政府は尖閣諸島をめぐる領土問題は存在しないという立場。
 兪氏はこのほか、「中日関係は大事にしたい」と述べるなど対日関係重視の姿勢を示した。


 どちらも慌てずゆっくりと、たっぷり時間をかけて、いわゆる
 「長く、静かな戦い
でいこうと無言の合意をして、影の手を結んでいる。
 しかし、
 日本の軟化を「いつまでも待つ」
という表現は、これまでの中国の姿勢とはちょっと変わっている。
 いまにでも「軍事行動を起こすぞ」というう脅しと、「いつまでも待つ」という二面の姿勢を使い分けているのだが、
 「いつまでも待つ」では中国は日本と戦いたくない、という願望をモロ見せてしまうことになる。
 やはりここは「長く、静かな戦い」といったような表現にすべきであろうと思う。


NHKニュース 8月31日 7時15分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130831/k10014175891000.html

中国 尖閣問題いつまでも待つ

 沖縄県の尖閣諸島を巡って日中関係が悪化しているなか、中国共産党の最高指導部の1人は30日、 「われわれはいつまでも待つ」と述べ、日本側が領土問題の存在を認めないかぎり一切妥協しない考えを示しました。

 これは、30日、北京で横路前衆議院議長を団長とする民主党の訪中団と会談した中国共産党の序列4位で全国政治協商会議の兪正声主席が述べたものです。
 会談で、横路前議長は「現に争いがあるので解決しなければならない」と述べ、国際会議の場などを利用して首脳会談を開き、事態の打開を図るよう求めました。
 これに対して兪主席は「日本が争いがあることを認め、過去の指導者が話したように問題を先延ばしすればすぐに解決する」と述べ、領土問題の存在を認めたうえで問題の棚上げを求める従来の主張を繰り返しました。
 そして兪主席は、「日本側はなかなかそうはいかないかもしれないが、われわれはいつまでも待っている」と述べ、日本側が領土問題の存在を認めないかぎり、一切妥協しない考えを示したということです。
 中国の最高指導部の1人である兪主席の発言は、この秋から続く国際会議の場で日中首脳会談を模索する日本政府に譲歩を求めるねらいがあるとみられます。


 こういうことは日中では珍しいことではない。
 だからといってどうということもない。
 小泉政権時代もそうだった。
 中国の関係は冷戦状態であった。
 でも、経済は至極順当に動いていた。
 中国は日本からの投資と技術移転を深く望んでいたから、
 政治が冷ややかであっても経済の窓口を閉めることは出来なかった。
 同じような状況がまためぐってきたようである。
 「両者でいつまでも待っていれば平和な関係の時が流れる
というものである。
 日本の動きにブレはないが、中国はここ数年でどう変わるかわからない時期に入っている。
 予想外の結果が出てくる可能性もあるのが今の中国である。
 安易な結論の急ぎ過ぎはやめたほうがいい。
 いまはじっくりといくべきだろう。
 また、この発言のウラには中国は軍事による尖閣奪回はしない、という意味が隠されている。
 中国国内では昨年の当局の煽りによって、民衆が軍事行動実行の意見に踊らされた。
 これからそれをなんとか鎮めなければならない。
 でないと、尖閣という大義の動きが、究極では当局に向けられことは必死になる。
 自分で煽っておいて自分で鎮めなければならない
という予想外の結果になってしまっている。
 しばらくの間は
 「いつまでも待つ」
という論調を強く打ち出し、世論を何とかそれで鎮める方向でいくしかないだろう。
 もしそうなら、
 9月にあるかもしれない「尖閣問題一周年記念デモ」は行われない
だろう。
 中国は「首脳会談を拒否する」という強硬姿勢で日本と対峙している、というアピールで民衆をなだめることになる。
 中国の欠点は足元、つまり国内があまりに弱い、
ということである。
 日本には国内の政治不安はないので外部からの政治的圧力がそのまま政策に反映されるということがある。
 いま日本は中国という外圧にさらされている。
 こうした時の日本は一丸になりやすく、強くなる。
 中国はこういう日本とぶつかるべきではない。
 いまは、「いつまでも待つ」政策が最良の方法だろう、中国にとっては。
 「長く静かな戦い」の時期に入っているということであろう。


レコードチャイナ 配信日時:2013年8月31日 13時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76224&type=0

唐家セン元国務委員「現段階では日中首脳会談を開催すべきではない」―中国


唐家

 2013年8月30日、中国の元国務委員で中日友好協会の唐家[王旋](タン・ジアシュエン)会長は、日本の九州・沖縄メディア訪中団と北京で会談し、現段階では日中首脳会談を開催すべきではないとの考えを示した。
 米華字メディア・多維新聞が伝えた。

 昨年11月に習近平(シー・ジンピン)政権が発足して以来、初めて日本のメディアと公式に会見した唐会長は、
 「国交正常化以降、日中関係は最悪の局面に陥り、未曽有の困難に直面している。
 現在首脳会談を開催すれば、かえって両国の対立点を目立たせることになるため、開催すべきではない
と語った。

 尖閣諸島問題については、
 「日本の尖閣国有化が13億人の中国国民を憤慨させた。
 中国は闘争を継続し、絶対に立場をぐらつかせない」
と強調した。
 同時に、
 「国有化以降、両国間の往来と経済交流は減少した」
と語り、日中両国国民の感情面での悪化に対して強い懸念を示した。
 対日政策については
 「戦略的互恵関係を発展させる政策は不変である」
としつつ、尖閣問題において日本に対話実現の努力をするよう呼びかけた。



レコードチャイナ 配信日時:2013年9月9日 6時40分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76504&type=0

<レコチャ広場>中国人はなぜ日本に「永久不再戦」を求めるのか?

 2013年9月6日、中国のエンジニアでエコノミストの汪華斌(ワン・ホアビン)氏は、
 「われわれはなぜ日本に『永久不再戦』を求めるのか?」
と題した記事を中国のブログサイトに掲載した。以下はその概要。

 中国の政府も国民も、日本に永久不再戦を望んでいることは確かだ。
 このため、われわれは日本の態度に強い関心を抱いており、自分たちの意に沿わないことがあるとすぐに抗議する。

 われわれの戦争映画のなかの日本人はみな軟弱だが、
 私の周りにいる、かつて日本人と戦ったことのある年配の中国人たちは、口をそろえて「日本人は本当に凄いんだ!」と話す。
 「日本人の銃撃は非常に正確。
 銃剣を使わせたら、1人で何人もの中国人を突き殺すことができる」
と語る彼らは、今でも心から日本人を恐れている。
 彼らこそが、真の戦争経験者なのだ。
 中国人は表面上、「日本人など取るに足らない」といった態度をとるが、
 心の中では日本人を怖がっている。

 中国は抗日戦線に勝利したと主張するが、
 日本人は中国に負けたとは思っていない。
 ソ連が崩壊しても戦勝記念日があるロシアや、ノルマンディー上陸作戦記念日のある英米のように、日本には靖国神社参拝活動がある。
 だが、中国にはこうした戦争の記念活動はない。
 中国にあるのは中華人民共和国成立の祝いと中国共産党の誕生祝いだけで、外国との戦争は忘れられているようだ。

 なぜ中国は日本が永久不再戦を誓うことを求めるのか?
 もしも他国が脅威に感じるほどの実力が中国にあるのならば、誰も中国と戦争しようとは思わないだろう。
 日本が永久不再戦を誓わなかったとしても、それがどうしたというのだ。
 誓うか誓わないかは日本が決めることだ。
 そして、われわれに戦争を受け入れる実力と能力があるか否かは、われわれの問題なのだ。




減速する成長、そして増強される軍備


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