2013年8月21日水曜日

著作扱いに温度差:朱鎔基は"賞賛”、江沢民は“冷遇”、李鵬は"無視"

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●(写真は「CNSPHOTO」提供)


サーチナニュース  2013/08/21(水) 16:14
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0821&f=national_0821_032.shtml

著作扱いに温度差…朱元首相に賞賛、江元主席は“冷遇”=中国

  中国では江沢民元国家主席(共産党総書記)と朱鎔基元首相がともに12日、著作を出版した。朱
 元首相の著作は連日のようにメディアが取り上げ内容を紹介しているが、
 江元主席の著作の取り上げ方は極めて少ない。 
 なお、李鵬元首相の著作も5日付で「最近になり出版された」と報道されたが、あまり注目されていない。



朱元首相の著作は「朱鎔基の上海講話実録」で、人民出版社と上海人民出版社が12日、共同で出版した。
 北京市内で同日、出版発表会が開催された(写真)。
  朱鎔基首相は1928年10月1日生まれで2013年8月21日現在は84歳。
 2003年に首相を退任して以降は、公の場にあまり姿を現さなかった。
  人民日報は「朱鎔基の上海講話実録」が出版されて以来、連日のように同書の内容を紹介している。
 主に、上海市長時代に腐敗撲滅のために大鉈(おおなた)を振るったことや、官僚に仕事の効率などを厳しく求めたことなどの内容だ。

  庶民の声を大切にしたとの話題にもことかかない。
 上海市内で「散水車が回ってこない」との報道があったことを知ると担当官を呼び出し、担当官が釈明を始めると
 「いらない議論だ。どんな方法でもよい。3日以内に散水車を出せないなら、局長をやめろ」
などと迫ったといったエピソードなども事欠かない。
  中国青年報は15日付で、出版前に同書を読んだ中国共産党中央紀律委員会の呉官正書記が
 「偉大なるトウ小平と江沢民は、偉大なる朱鎔基を選んだ」
と述べたと紹介した。

  江沢民元国家主席の著作は「江沢民と揚州」
 朱元首相の著作と同じ12日に出版発表会が江蘇省揚州市で行われた。
 出版元は中央文献出版社。
 江元主席と出身地である揚州市とのゆかりを紹介している。
  しかし、新華社など主要メディアが江元主席の出版を報じたのは翌日の13日になってからだった。
 また、メディアが連日のように内容を紹介するような現象は発生していない。
 両著作に対するメディアの扱いには大きな違いがある。
 何らかの政治的な力関係が働いている可能性がある。

  李鵬元首相の著作は「李鵬が産業経済を論じる」
 新華社などが5日付で「最近になり、中央文献出版社と中国電力出版社が共同で出版」と報じた。
 詳しい内容に注目した報道は見当たらない。

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◆解説◆
  朱鎔基首相は湖南省長沙市出身。
 1958年に国家計画委員会主任弁室の幹部になったが、毛沢東を批判したことで失脚。
 その後も浮沈があったが、文化大革命終了とほぼ同じ時期の1875年に復帰した。
 その後は工業など経済畑を歩んだ。

  1988年には江沢民の後任として上海市長に就任。
 89年の天安門事件では、民主派に対する「反革命動乱」という表現を削除させ、テレビで
 「歴史的事実は誰も隠せない。
 事実の真相はやがて明らかになるだろう」
と語り、同市における流血事件を回避した。
 上海市長時代には、汚職の取り締まりにも辣腕を振るった。

  1998年に首相に就任すると、国有企業改革、金融改革、政府機構改革に全力を挙げた。
 ただし、大量の失業者を出したことや、国有企業の民間への払い下げで、共産党幹部の縁故者が有利な条件で企業を買い取り、巨額の富を築いたことなどに対する批判も強い。

  国家幹部の不正や怠慢に対しては、きわめて厳しい態度で臨んだ。
 1998年に江西省内で建設直後の堤防が決壊した際には、「手抜き工事」の実態を知らされ激怒し、「豆腐渣工程(おからのように、もろい建築工事)」、「王八蛋工程(ばか野郎工事)」と発言。
 その後「おから工程」は中国語として発言。

  1995年に共産党北京市委員会の陳希同書記が汚職容疑で解任された際には、腐敗した既得権益層との対決を
 「棺おけを100個用意しろ。
 私にも1つだ。
 私は彼らを道連れに国家に長期的な安定発展と、庶民のわれわれの事業に対する信頼を獲得する」
と発言した。

  政界を引退した後は公の場にほとんど姿を見せなくなったが、2011年4月に母校である清華大学で学生との懇談会に出席した際には、中国国営の中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)のニュースについて
 「でたらめばかり」、
 「私は毎日午後7時から、必ず中央テレビ(のニュース)を見ている。
 どんなでたらめを言っているか見てみたいからだ」
と述べたとされる。


 おそらくこの裏にはやはり、共産党内の派閥争いが絡んでいるのだろう。
 詳しくは知らないが、つまるところ中国とはそういう枠組み国家だということであろう。



減速する成長、そして増強される軍備


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